【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
──翌日

熱は下がったものの咳が出てくる。
気怠さは相変わらず。
適当な薬を飲む。

「じゃあ行ってくる」

妻に言うと、心配そうな表情を浮かべている。

「無理しないでくださいね」

俺が陰で何をしているかも知らず、俺の言う事を全て信じ、献身的に支えようとしている。

「大丈夫だ」

家庭を守る。
それも大事な仕事の一つだ。

◇ ◇ ◇

出社して、秘書課で待つ。
会議資料を渡すために。

扉が開くと彼女と目が合った。

「おはようございます」

心なしか俺に対する表情が前と変わった。

なんだ?

「今日は取引先で会議だから同行するように」

資料を渡した。

「あの……大丈夫なんですか?」

「何が?」

振り返ると、彼女の目は真剣だった。

「体調について、です。私も無理をして倒れたことがあるので……」

勇凛との関係を否定した俺をなぜ気にかける。

「……そうか。私はただの風邪だ。問題ない」

部屋から出た後、自分の行動に矛盾が生じていることに今更気がつく。

感情を捨てられなかった。

だからあの女の言葉や行動に動揺する。

根本的な部分は変われていない。

──その時わかった。

未熟な勇凛を必死に守ろうとする、あの女に惹かれているのかもしれないと。
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