【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
──週末

父から突然連絡がきた。

こっちに来ると。

父とは極力顔を合わせたくない。

別に何かを押し付けられた訳でもない。

ただ、その危機感の無さに苛立つからだ。

俺がどんな思いをしてここまでやってきたかわかってるのか?

海外でのうのうとして、気まぐれに様子を見にきて、そしてすぐに帰る。

でも個人的な感情を仕事に持ち込むべきでない。

割り切るしかない。

そう思って月曜日を迎えた。

◇ ◇ ◇

──月曜

父が出社してきた。

社長室で顔を合わせる。

「勇輝、最近どうだ?」

緊張感のかけらもない男。

「順調です」

「そうか。勇輝は凄いな。私よりよっぽど」

そんな賛辞など不要。

すぐに会議のための準備をした。

◇ ◇ ◇

会社の重役が集まる。

「では定時になりましたので始めます」

そう告げて、淡々と今の会社の状況を伝える。

父は頷くだけ。

それでいい。

自分がやった失態を俺がここまで回復させて、口を挟むなど誰も望んでいない。

そして会議はすぐに済み、社員が散る。

残ったのは、俺と勇哉と彼女。

彼女が抜けようとすると

「待ちなさい」

父が引き留めた。

「君が勇凛と結婚した七海さんかな?」

何を言うつもりだ。

「勇凛が結婚したって聞いて驚いたが、しっかりしてそうな人だ。また今度ゆっくり話そう」

落胆した。

俺があの時手放さなければ、俺もここに辿り着けたかもしれない。

ただただ悔しかった。
< 218 / 228 >

この作品をシェア

pagetop