三十路の社畜OLは出会った翌日に八才年下男子と結婚しました
駅までの道をバイト君と歩く。

「仕事ってどうですか?」

唐突に聞かれて返事に困る。

「大変ですね……。会社や職種で違うけど、私は忙しい場所にいて。プライベートな時間削られてますね」

バイト君は俯いてる。

「俺、来年から社会人なんです。うまくやっていけるか不安で」

すると、学生なのもあと数ヶ月か。

「今のうちに沢山遊びなよ」

そのうち友達と会える日も減っていく。

私がそうだ。皆疎遠。

会おうとすると予定が合わない。

「そうですね。ただ──」

バイト君は立ち止まった。

「本気の恋がしたいです」

「え?」

真剣な顔だった。

「え、君モテそうだけど、今までどうだったの?」

「それなりに女の子とは付き合ってきました。でも、本気で好きになった子はいないかもしれません」

「急がなくても、社会人になってからも出会いは沢山あるし、君ならすぐにいい人見つけられるよ」

「……見つけたんです」

「え?」

「俺、あなたと本気で恋がしたいです」

晴天の霹靂だった。
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