【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「え……勇凛くん彼女いたんだよね……?」

勇凛くんは頷いた。

「彼女はいたんですけど、そういうことはしませんでした」

何か訳があるのだろうか。

「勇凛くん、もしよければ、理由聞いてもいい……?」

「……俺は、結婚するまでしないって決めてたんです」

その言葉に驚いた。

男でそんな考えの子がいるの!?
女ならともかく。

「それ……今までの彼女は納得してたの……?」

「いえ。求められる時にそれを言ったら、別れを切り出されました」

女だって性欲はある。
好きな人となら深く繋がりたい。
なんとなくわかるけど……。

「勇凛くんは相手に誠実なんだね」

「わかりません。ただ、もし万が一ってこともあるので」

相手のために自分の欲を抑えられるのか。

「……引きますか?」

「え?」

「言われたことあるんです。引いたって」

勇凛くんは少し苦しそうな顔をしている。

「ううん。引かないよ。むしろ尊敬するよ」

そんなに真剣に向き合ってくれる男の人と会ったのが初めてだ。

私なんて、避妊拒否されそうになったり、すごい雑な扱いを受けていて、あまりそういう行為に良い思い出がない。

「私は勇凛くんが旦那さんでよかったって思ったよ」

勇凛くんは優しい笑顔に戻った。

「ありがとうございます。そう言ってもらえて安心しました」

その後、勇凛くんがお風呂に入った後、私たちは同じ布団の中に入った。

今回は迷わなかった。

自然と手を繋いでいた。

「勇凛くん、おやすみなさい」

勇凛くんの方を向いたら、キスをされた。

完全に目が覚めてしまった。

「すみません、今までは我慢できてたんですけど……」

けど──?

「ちょっとヤバいです」

勇凛くんの手の力が強くなった。

勇凛くんの今まで見たことがない熱い眼差しから目が逸らせなかった。
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