【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
二人で玄関から出て、朝日の中を歩く。

寝不足のせいかお互い会話が出てこない。

でも、手が触れ合って、手を繋ぐ。

それで満たされてしまった。

もうすぐ会社。

よーく見ると、見たことがあるシルエット。

森川さんだ。

気まずい!!

私は勇凛くんの背後に隠れた。

「どうしたんですか?」

「ごめん、ちょっとこのままでいさせて」

しばらく身を潜めていると──

「おはよ〜」


ああ……


勇凛くんの肩越しに見ると、ガッツリ気づかれていた。

勇凛くん、無言。

「なんで二人ともそんな元気ないの?」

森川さんは揶揄うように言う。

勇凛くん、相変わらず無言。

「朝から仲がいいことで。じゃあまた後でね〜」

そう告げてビルに入る森川さん。

微妙な空気が流れる。

振り返った勇凛くんの顔は険しかった。

「あの人馴れ馴れしくないですか?」

「……気さくな人、なんだよね」

でもさっきのは悪意を感じた。

「七海さん。気をつけてください」

「うん」

勇凛くんと私は、別れを惜しむように離れた。

ああ

恋してるな。

朝の空を見ながら思った。

その時スマホに通知がきた。

勇凛くんからだった。

『兄から連絡が来ました。土曜日に来いと言われますが、予定空いてますか?』

土曜日……

はやっ

心の準備が

『予定ないよ。大丈夫』

勇凛くんのお兄さん。

どんな人なんだろう。
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