【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
駅に着いて、私が会社に向かおうとする途中、スマホに着信があった。

勇凛くんからだった。

「はい」

『七海さん、兄に会ったんですよねさっき!?』

勇凛くんの声から焦りが伝わる。

「うん。病院で会ったの」

『病院……?』

「入院した病院に診断書をもらいに行ってたの」

『そうだったんですね……。さっき兄から七海さんに会ったって連絡があって、居ても立っても居られなくて。兄に何かされませんでしたか?』

「……駅まで送ってもらっただけだよ」

半ば無理やり……。

『そうですか……ならよかったです』

「……勇凛くんのお父さんって、林ホールディングスの社長さんだったんだね」

──沈黙が流れる。

『隠してたわけではありません。そのことについては、改めてまた話します。七海さんはこれからまた会社に戻るんですか?』

「うん。書類提出だけして今日は帰るよ」

『わかりました。じゃあ、どこかで待ち合わせしてもいいですか?』

「わかった。あ……勇凛くん今どこ?」

『大学です。卒論ある程度進めたら帰るつもりです』

──勇凛くんの大学。実は気になっていた。

「じゃあ、勇凛くんの大学の近くで待っててもいい?」

『いいですけど……七海さんの会社からは少し遠いかもしれません』

「いいの。行ってみたいんだ。何て大学?」

『慶王大です』

・・・。

やっぱり勇凛くんは、特別な人間なんだなと痛感した。

あんなお金かかる私立大学、とてもじゃないけど一般家庭じゃ無理。

セレブや芸能人ばかりの幼稚舎からのエスカレーター式の大学。

勇凛くんの知らない部分がどんどん暴かれてゆく──
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