【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

やっと言えた

私たちは次はクレーンゲームをやっていた。

「うーーーん」

なかなか取れない。

好きなキャラのぬいぐるみが。

「七海さんそのキャラクター好きなんですか?」

「うん。好きなアニメの推しキャラなんだ」

なかなか取れないまま、三千円投入。

「もう諦める……」

私はその場を離れた。

もうそろそろ帰ろうか、と思った時。

「七海さん、あの、これ」

「ん?」

勇凛くんの方を振り向くと、勇凛くんがさっきのアニメのキャラのぬいぐるみを持っていた。

「え!?取れたの?」

「はい。七海さんがほしいキャラではないんですが、こっちが落ちてきて」

勇凛くんのとったキャラは、アニメの推しではなかったけど──

嬉しかった。

「ありがとう。これ大事にする」

「すみません、取れなくて」

「ううん。私のためにありがとう」

私はそのぬいぐるみを優しく抱きしめた。

そして、ラウンド2から出た。

「今日は楽しかったね!」

「はい。七海さんが楽しんでくれてよかったです」

勇凛くん、ボーリングもカラオケも苦手で、でもここに来たってのは……。

「勇凛くん、もしかして私のために?」

勇凛くんは頷いた。

「七海さんの笑顔が見たいんです」

勇凛くんのはにかむような笑顔が、愛しいと感じた。

毎日毎日勇凛くんへ募っていく想い。

不安はあるけど、勇凛くんの気持ちは揺らがない。

この先待ち受ける現実が厳しくても、二人で乗り越えたい。

「……勇凛くん」

私は立ち止まった。

「はい」

勇凛くんが振り返る。

私は勇気を出した。

「私、勇凛くんのこと、好きだよ」

やっと言葉にすることができた。
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