【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「そんなの俺が許しません!」

「黙れ。まだ社会の厳しさも知らないお前が口答えするな」

勇輝さんが私にゆっくり近づいてきた。

「君が優秀なら、少し考えてやる」

──この人は……

怒りで震えた。

「人をなめるのもいい加減にしてください……」

とうとう私の堪忍袋の緒が切れた。

「私が社会人になって、どれだけ命削って社畜人生に身を捧げたか、ボンボンのあんたにはわからないでしょう」


──言ってしまった


勇輝さんは笑った。

「威勢があるな。そんな風には見えなかった。ならさぞかし優秀な人材になりそうだ」

もう引き返せない。

「ええ、やりましょう。秘書でもなんでも」

もう止まらない。

「七海さんダメです!!」

必死な勇凛くんの顔。

「勇凛くんごめん……。私にもプライドがあるんだ」

──受けてたってやる。

「で?今日は挨拶だけか?」

私は持ってきた書類をデスクに叩きつけた。

「私たちの結婚にあたって必要な手続きをお願いします」

勇輝さんは目を通した。

「わかった。これは処理しておく。ただ……」

何今度は。

「君たちの結婚が長く続くとは思えないがな」

せせら笑うような表情。

「絶対に離れません」

勇凛くんが言い返した。

「俺はこの人のためなら命も捧げます」

驚いて声が出なかった。

勇輝さんも驚いていた。

でもすぐに元の表情に戻った。

「勇凛もここで働く覚悟ができたということだな」

「七海さんがいるなら、ここにいますよ」

勇輝さんの思惑通りに進む物事。

なんて人。

「じゃあ七海さん、すぐにあの会社を退職してここに来なさい」

「……わかりました」

もうやるしかない。
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