【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

戻れない

私と勇凛くんは部屋から出た。

何も言葉が出なかった。

エレベーターに乗った。

エレベーターが下降している先中、勇凛くんが口を開いた。

「七海さん、すみませんでした」

「ううん。勇凛くんは何も悪くないよ」

「あんな事を言ってくるとは思いませんでした……。兄を甘く見ていました」

「勇凛くんと勇輝さんは、子供の頃は仲はどうだったの……?」

「兄とは歳がかなり離れてるので、まともに会話した事はないです」

「ご両親と勇凛くんは?」

「父は子供の頃から色んな支社を回っているので、ほぼ家にいません。母も趣味で家を空けることが多かったです」

「そうか……」

勇凛くんはもしかして、家庭で孤独だったのかな。

私の実家はごく平凡。

姉ちゃんとも関係は悪くない。
親も普通に会話はする。

何かあれば相談も乗ってくれる。

エレベーターは一階に着いた。

エレベーターを出てエントランスに向かうと、ビルの入り口から急ぎ足で来る、背の高い男性の姿が。

あれはまさか──

彼と目が合った。

「あ!もう話終わったの!?」

──勇哉さんだった。
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