ガラスの告白
 話す内容や、二人の気持ちには関係なく、どこからか飛んできた二匹のスズメが目の前に降り立つと、遊ぶように追いかけ跳ね周り、時折首を傾げながら楽しそうに鳴いていました。

 一匹が飛び立つと、そのあとを追いかける様に、もう一匹のスズメが飛び立って行きます。
 少女はそれを見て微笑みを浮かべます。
 横に座り、視線を落とす時男を気にかけると、立場を返すように励ます言葉をかけていました。

「でも萩原君のおかげで、高校生活の思い出も作れたし、明日卒業式を迎えられそうだよ。ありがとうね」

 こんな状況下に送られた言葉に、痛い程感謝します。
 こちらこそっ君のおかげで……高校生活の最後に、かけがいのない思い出ができたと、思っていました。
 視線を少女に向けますと、最後まで残るガラスの瞳に変化が訪れていました。


 透き通るガラスの瞳は、薄茶色へと色づいていきます。
 初めて少女の素顔がみれる。願望の呪縛もこれで終わると、期待をしました。
 黒く色づき終わると、今まで時男に向けられていた眼差しは、想像とは違う悲しいものであったと気づかされます。


 何処か優しくも哀れむように。
 背筋に寒気を感じると、少女に向け慌てるように言葉を投げかけていました。
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