ガラスの告白
「保健室から退室する際、保健の先生に、何か耳元で話を聞いていたじゃない。あの時の内容がこのことでしょ? 退室するの嫌がっていたのに、急に行動的になったから」

 少女は意味がわかると、顔を赤く染め、恥ずかしさで顔を崩しました。
 口は閉じる事もできず、目尻を大きく垂らしていました。

「だってあの時は、保健室の先生がおかしなことを話したんだもの」

「おかしなこと」

「萩原くんがね、私のことを好きなんじゃないかって」

 時男は驚き身体が熱くなりました。少女自身も言い訳になっていないと慌てていましたが、沈黙がより恥ずかしさを連れてくると感じ取ったようで、喋られずにはいられない様子でした。

「恋愛もいい思い出になるからって……言うから」

 その後の沈黙に二人は緊張します。少女は誤魔化すことのできない言葉のあと、時男の表情を探るように見つめ聞き返します。

「初めて会った時、私のこと、気になってくれた?」

 この場合、異性として好意を持ったかっと、素直に受け止めます。
 当初は心に汚れのない人物を作り上げるため、ガラスの姿に見せていましたが、でも今は前向きで、オマセでありながら少し慌てん坊な一面を知り、ガラスの姿以上の好意を持っていると感じました。

 温かい眼差しを送る時男は、どの様に答えようか考えていました。
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