ガラスの告白
 時男は動揺を求めるように、周りを見渡しました。
 クラスメートを見ても、誰一人そのことに戸惑う様子もなく、冷静に村上の説明を聞いています。
 中には机に肘をたてた手に、顎を乗せ退屈そうにしている者もいました。

(なんで誰も驚かないのだろう。彼女のために冷静さを装っているのだろうか)

 何事もなかったように動じない他のクラスメートに、気味が悪いとも感じていました。
 隣の席に座る男子生徒と目が合うと、冷めた視線をこちらに向けています。
 時男は急いで視線を逸らし、卓上を見つめ考えました。

(僕だけがおかしいのか? 僕の目が、頭がおかしいのか)

 時男は周りの態度から、問題は少女ではないことも疑いました。
 自身だけが彼女の真実の姿や、作り物のように見えているのかと、だがそれも、まだ半信半疑の気持ちでもあります。

 徐々に気持ちを落ち着かせる中、聞こえてくる担任からの紹介は、例文の様な内容でありました。
 ご両親の仕事の都合でっなどと説明がされると、形変わら表情でありまいたが、少女は申し訳無さそうに下を向きます。

 視線は誰に向けられることもなく、ただ自分の足元や目の前に並ぶ机だけに、向けているようでした。
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