ガラスの告白
 この町のこの時期。降ったり止んだりを繰り返す雪は消えることのなく、いつまでも残り続けています。
 冬の時期は例年、体育の授業は体育館で行われるのは、当たり前の光景でありました。
 雪の止んだその日の午後も、体育授業はそうであります。


 古くに建てられた校舎とは違い、近年建てられた体育館は、見た目からして頑丈な作りをしています。防音や建物の強度から、日差しを取り込む窓ガラスは最低限の数であり、差し込む外の明かりや、数多く設置された蛍光灯の灯りでも、建物内は薄暗く物静かな場所でありました。


 靴底のゴムの擦れ合う音っと、誰かが弾ませたボールの音が響きわったっていました。
 広い空間で冷え込む体育館では、生徒達は寒さで肩を縮め、中には上着の袖の中に、すっぽり手を隠しながら歩き集まる者もいます。
 体操着ではなく、柔らかな素材の衣服を着ておこなう者もいれば、制服のまま参加する者もいました。


 それほど遊び感覚的な授業だと、皆が認識しています。
 時男は体育館に現れると、すぐさまガラスの少女を目で探しました。
 少女は、クラスメートの女生徒二人と会話をし、冷たい表情を浮かべていました。


 学校指定のものとは違う、ジャージ上下を着ています。
 何か女生徒二人と、たわいも無い話題を楽しんでいるのだろうと思い、視線を逸らしていました。
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