ガラスの告白
 授業で行われたのは、中央の線で区切られチーム二手に分かれた、ドッチボールでした。
 内野同志でボールをぶつけ合い、当てられた者は内野から外れ人数を減らしていくゲームです。
 内野から外れたものは、外野と呼ばれる周りに位置付けされ、外野の者は内野にボールを当てれば、内野に戻れるルールでありました。


 時男は自ら外野に進み、ゲームを楽しもうとすることはありませんでした。
 外野に転がってきたボールを受け取っても誰かに投げ渡し、他の者が楽しめばいいなどとも考えてもいます。
 適当にチーム分けされると、時男は指定の位置に移動します。


 相手チーム横側に位置する、外野です。
 スポーツが苦手と自負するクラスメート二人も、時男同様外野に進んで移動していました。
 横目で探した少女は、同じチームに分類され、内野場所に残っています。


 代表のジャンケンで、ボールは相手の手に主導権がわたると、体育教師の佐藤は卒業を迎える生徒達に気を使い、言葉をかけていました。

「向きになって怪我すんなよ。力おさえて投げろ」

 試合が始まると、時男の想像よりも強い力で、男子生徒がボールを投げていました。
 女生徒の足にボールがぶつかり、喜び驚く悲鳴と、鈍い衝撃の音が体育館に響きます。
 ボールは転がると、再び投げた者の元に戻っていました。
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