ガラスの告白
 時男はその都度、かばうようにボールを受け止めると、時間稼ぎをするように味方外野側へ、ボールを投げ渡していました。
 ガラスの少女に向け投げられたボールは、取りにくい低い位置でも避けることなく、身を乗り出し受け止めていました。

 幾度かその行為が見れると、そのことに気づいた相手チームの女生徒が、側に居た者に話し始めました。

「萩原って、転校生のこと意識していない?」

 近くにいた男子生徒もその会話が聞こえると、興味ある話題だと近寄ります。

「何々、何の事?」

 時男の行動が皆に知れ渡ると、優しい勢いながらも、面白がるようにガラスの少女に向けボールが投げられ始めていました。
 それでも時男は少女の前に乗り出し受け止めるので、次第にボールの勢いは増してしまいます。

 皆その状況を楽しむと、エスカレートしたボールは、運悪く時男の顔に当たってしいました。

 体育館に静けさと、数人の驚く声が漏れ聞こえました。
 時男の鼻から血が垂れ、投げた女生徒はそれを見て、立ち尽くすように謝罪をしています。

「ごめんなさい」
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