ガラスの告白
 少女が向かった先には、目の前を湯川と名の川が流れ、そこを渡る橋がみえます。
 橋の前で足を止めますと、眺め喜ぶように、周りを見渡していました。
 その姿に暖かな気持ちで追いつくと、その横に設けられた古ぼけた赤い鳥居に、少女は指を差しました。

「引っ越してきてから気になっていたんだ。ちょっと寄っていかない」

 その鳥居は崖の上に位置する神社のもので、赤く塗られたペンキが、所々色が抜け落ちています。
 奥には石材で出来た鳥居が二本続き、脇には高い木々がはみ出し覆うように生えていました。
 日本五大稲荷に選ばれるこの鼻顔稲荷神社は、特別な連休にもなると観光客などが訪れ賑わいます。


 ですが季節的にも、今は春にもならない平日。
 手入れはまだされず、人けもなく、それが不気味にも映っていました。

 足を踏み入れることさえも、少し抵抗を与えてしましたが、断ることもできず流されるかのように返事をします。

「うっ、うん……」

 鳥居をみやげながらくぐるり抜けると、崖の上にたつ神殿へと急な石段が続きます。
 脇に設置された赤い手すりと、その階段の上にも、背丈ほどの赤い鳥居が数多く続いています。
 少女はそれをみて、はしゃぎ声を漏らし振り返りました。
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