ガラスの告白
「凄くない。この鳥居の数。このまま登っていこうよ」

 子供の頃から知る時男は、当たり前のように認識していたので、興味が湧くことはありませんでした。
 少女は一人、離れるように石階段に足をかけると、振り返り時男を手招きしていました。

「ほら、萩原くん。行こうよ」

 少女はいくつも続く小さな鳥居をくぐり、それを、一つ一つ、手で軽くふれるようにそえていました。数をただ数えているだけだろうか、それとも立派だと深く敬意を表しているのか、喜びを浮かべ楽しむ姿に、時男は安心する様に目を細め見つめます。

(学校を抜け出し、よかったのかもしれない。もし明日、学校で怒られることがあったとしても、今の経験が出来たのだから)


 そんなことを思いながらも、うっすら自身の過去が頭に浮かぶと、それ以上の不幸は訪れないと、軽く息を吐いていました。
 登り上がり神殿に着くと、周りには赤い旗が立ち並び、普段見かけぬ神聖な空間を作り上げています。

 横には絵巻を加えた、大きな石のお稲荷さんが二匹、こちらを見つめていました。
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