ガラスの告白
 自分にだけ、ガラスに見えている。本当はガラスの姿だと僕は知っている。そのどちらも、口に出すことは、できないでいます。
 ですが根本的な理由はそこにないと、今は感じていました。

 少女の横顔が夕日に照らされ色づき始めると、ふくよかな頬が杏色に染まり、異性といることに意識しました。時男は自分の気持ちを探るように気づき、答えていました。

「前に職員室で見かけたことがあるから、その時から気になっていたんだ」

 少女は真っ直ぐ時男を見つめると、何かを諦めるように、声を落とします。

「そうか、萩原くんはそのこと、知っていたんだね」

 時男は何か悪いことを行ってしまったと思い、少女からの言葉を止めるように、慌てて口をひらきました。

「その、友達になりたいと思ったのかのしれない」

 少女もその言葉に小さく驚き、首を少し傾げました。

「それが……理由?」

 時男は自信なさげにうなずきます。

「本当に?」

「うん。自分でも気づかなかったけど、今思えば……」

 少女は軽く息を吐くと、満足した表情に変わりました。
 下から見上げる様な時男の目線を見つめると、少女は意地悪そうな微笑に変わります。
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