ガラスの告白
「秀ちゃんも心配していたよ。とっ君が転校生を庇うあまり、みんなに変な目で見られないかって」

「秀ちゃんが」

「体育の授業の後も、みんなに注意しってたんだって。私……同じクラスの子に聞いたから」

 その言葉で、皆に揶揄(カラカ)われなかったことを思い出していました。
 鼻血を出し保健室にいる間も、クラスの子に注意してくれていた。

「そうだったんだ。知らなかった」 

「昔っからそうだよ。秀ちゃん、いつもとっ君のこと気にかけていて」

 言葉の意味が身体に滲み通ると、今まで陰で知らないところで、渡辺が庇うように声をかけてくれていた。友達としていてくれてたと、考えていました。

 驚き知る表情を見て、要は少し頬を緩ませましたが、時男にその表情を見せることはありませんでした。
 直ぐに不安な表情に変わり、戸惑いと緊張が混じる、弱々しい声で問いかけました。

「転校生の彼女、可愛い子だね。とっ君は、ああゆう子が好きなの」

 突然な心情を探る言葉に、時男は恥ずかしさのあまり、思わず否定してしまいます。

「違うよ。そんなんじゃ」

 誤魔化している。と受け止めたようで、目を閉じ心の何かを飲み込みます。
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