ガラスの告白
 卒業式前日。

 時男は学校に登校すると、下駄箱に置かれている上履きを、そっと床に置いていました。
 背中には楽しそうに会話をしながら、教室に向かう生徒達、少し喜び奇声がかった、下級生の声も聞こえます。


 自らも向かい歩くなか、廊下に立ち集まる生徒達の会話は、耳に入ることなく、頭の中では少女のことだけを考えていました。
 約束はしていませんでしたが、今日も二人で帰宅出来ればなどと期待を持ちます。

 いつものように時間を共に。その気持ちには、いつか伝えることが出来るかわからない、謝罪の気持ちも含まれていました。
 自信をごまかすため都合が良いように解釈し、容姿をガラスの姿に作り上げていたと。

 現実を見つめ、受け止めなければ、自身の思いは少女に向ける資格はないとも考えていました。
 今後も少女は、自身と同じようにこの土地に馴染み暮らしていくのだろうか。
 そこには越してくる以前。都会の暮らしより、不憫で後悔するかもしれません。


 快楽を求めるようにガラスの姿に見せていた自身に反省すると、今後はどうするかなどの会話をしてみたいと、考えられる落ち着いた自身を取り戻せる様になっていました。

 廊下から教室を覗き込むと、活気ある賑わいで、盛り上がっています。
 卒業式間際のため、休む生徒もいなくなると、現在ではクラスは本来の人数になっていました。
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