ガラスの告白
 クラスメートの会話は、沈むように沈黙に変わり注目が集まります。
 村上の口元から小さな声で「職員室に来てくれないか」っと聞こえ、二人は教室を後にします。
 姿が見えなくなると、クラスメート達はこぞって、ざわめきの声を漏らしはじめました。

「あの感じだと、なんかあったね」

 心配する声に混じり、何処か娯楽のように楽しむ、意地悪に聞こえる発言も耳に入ります。
 他クラスの生徒も、その出来事を合図に、自分のクラスに戻り始めます。

「要。戻ろう」

「うん」

 そのような声が聞こえ、時男の視界に要が映ると、悲しい視線を向けていました。
 バスでの出来事が、何故訪れてしまったのかと、二人の何かを壊してしまったと心を苦しめます。
 始業時間が訪れても、少女は教室に戻ることは無く、時男の元に、今まで以上の寂しい日常が訪れていました。


 この日は授業もなく、数々の卒業後に関する説明やプリントなどが配られていました。
 村上は幾度となく、それらの資料を職員室に取りに行くため、教室との出入りを繰り返していました。
 その中に生徒の興味をひく卒業文集が配られると、それを生徒は読み返し談笑しあっています。

 村上は合間を見計らい、人目を機にするように少女の手荷物を引き上げていました。
< 92 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop