だからアナタに殺されたい。
「…っ」
誰にも、助けを求められない。
詰んでしまった現状に、私は絶望した。
月明かりに照らされて、静かに輝く森の木々。
そこから鳴る葉の揺れる音が、いやに大きく聴こえる。
広まる静寂に、得体の知れぬ恐怖がじわじわと広まっていった。
喉が、渇いた。
水が、欲しい。
いや、血が。
よぎった思考に、表情を歪める。
ああ、私は今何を!
抑えられない何かが、私の中でうごめく気配を感じる。
もう、ダメだ…。
失意の中、そう思った、その時。
「エレノア?」
どこからか凛とした声が私を呼んだ。
ザッ、ザッ、と地面を踏み締める音が少しずつこちらに迫ってくる。
つい反射的に声の方へと視線を向けると、そこにはローゼルがいた。