だからアナタに殺されたい。
7.明かされた秘密
「こんなところでどうしたんですか?」
いつも通りの無表情で、ゆっくりとこちらに向かってきたローゼルに、ドクンッとまた心臓が大きく跳ねる。
喉が、渇いた。
「こ、来ないで!」
私は必死に自分の中から溢れて止まらない気持ち悪い何かを抑えて、瞳を右手で覆った。
もう私の瞳はあの濃い赤になっている可能性がある。
それをローゼルに見られてしまったらおしまいだ。
吸血鬼であると、バケモノであると、バレてしまう。
ローゼルだけには、知られたくなかったのに。
「大丈夫ですよ」
優しいローゼルの声が静かにこの場に響く。
まるで怯える私を安心させようとしているその声音に、一瞬視線を上げそうになったが、私はそれをなんとか耐えた。
ダメだ。上げてしまえば、おしまいだ。
すぐ側にローゼルの気配を感じる。
そう思った時には、下を向く私の視界にローゼルの足が入った。
「お、お願い、来ないで…」
ローゼルを拒絶する私の声が弱々しく震えている。
体が熱くて、おかしい。
彼が欲しくて、堪らない。
バケモノみたいな思考に、私は泣き出しそうになった。
「エレノア、聞いて」
ローゼルがそう言い、私の右手を掴み、ゆっくりと自身の方へ引く。
その行動に私はつい反射的に、伏せていたまぶたを上げてしまった。
するとそこには、私の瞳を覗き見るローゼルがいた。