だからアナタに殺されたい。
「エレ、ノア…」
私だけではなく、ローゼルからも甘い吐息が漏れ出る。
「ふぅ、んん、ロ…ゼル…」
ローゼルと私の甘い吐息。
それが混ざり合い、この部屋に静かに溶けていく。
今日も続く悪夢。
それでも私はゆっくりと正気を取り戻していった。
やっと、私の中の本能が満たされたのだ。
私はやはりバケモノだ。
好きな人のことを捕食の対象として見るようになってしまった。
「…ごめん、ごめんね、ローゼル」
ローゼルの鎖骨から顔を離して、涙を流す。
本当はローゼルから降りたいのだが、それを優しく私の腰に手を回すローゼルが許さない。
「泣かないでください。エレノア。俺はアナタの役に立てて…アナタの人生に俺を刻めて嬉しいんです。だから我慢できなくなったらいつでも呼んでください。俺を」
ローゼルは宥めるようにそう言いながら、何度も何度も労わるように私の背中をさすってくれた。
いつまでこの悪夢は続くのだろうか。
私はもうただただバケモノとして堕ちていくしかないのだろうか。
息の詰まるほど甘い空気の中で、私はこれからも続くかもしれない未来に今日も静かに絶望したのだった。