だからアナタに殺されたい。
ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡したが、やはりここがどこなのか私はわからなかった。
窓のない狭い個室には、ベッドと小さな机と椅子だけしかない。
必要最低限のものしかないこの部屋は、まるで隔離病棟のようだった。
「エレノアさん、目覚められたんですね」
どこか安堵したような表情で、白衣を着た女性がこちらに歩み寄る。
40代くらいのその女性は見た目からして医師のようだ。
この部屋の様子に、突然現れた医師。
ここは病院なのだろうか。
何から尋ねようか、となんとなく下を向くと、あるものが目に入った。
一つは右腕にある点滴、そしてもう一つは掛け布団から見える鎖だ。
点滴については何も思わない。
あの衝動を抑えるために必要な処置なのだろう。
だが、鎖の存在は私の胸をざわつかせた。
…あの鎖は何?
嫌な予感がして、サーッと一気に血の気が引いていく。
まるでバケモノを繋ぎ止めているかのようなそれは、何を捕らえているのか。
確かめようと、恐る恐る右足を動かすと、ジャランッと鎖が鳴り、動いた。