社長令嬢の私が恋したのは、清掃員でした
 同じ頃。
 上条直樹のもとにも、
 別のルートから噂が届いていた。

 『三条社長の娘が、
  誰かと極秘に入籍したらしい』

 直樹は、スマートフォンを強く握りしめる。

 「……清掃員、だと?」

 口元が、歪む。

 「あいつ、ふざけるな……
   それに、あのバカ娘が!」

 彼は、静かに立ち上がった。

 「このままでは、全ての計画が
      台無しになる……」

 ――この話、
 黙って終わらせる気はなかった。
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