クズにはクズのやり方で
 その間、私は各所からのクレーム対応に追われていた。

 情報が漏れたことは他の企業にも伝わっているので、そのクレーム対応は今日一日ずっとやることになるだろう。

 電話が鳴りっぱなしになる。

 先方の取引先によって、うちで手掛けているWEB広告がとん挫することもある。

 先方の取引先のご機嫌を損ねたら、うちの会社は終わりに近くなる。

 機嫌が損なった場合は、なんとか謝罪をして、取引を継続するようにしなくてはならない。

「鳳凰さん。先方と連絡つきました。今から直接会いに行ってきます」

 電話を切った後、佐藤は私に向けて、報告をした。

「分かった。私も行く」

「でも……」

「ここの会社は入社当時からお世話になっているから。私の責任でもあるから行くよ」

「すみません」

 佐藤は私に頭を下げた。

「…そう思うなら、今度から気を付けて。じゃあ行こう」

 私はジャケットを羽織って、黒鞄を持ち、黒ゴムを髪で縛り、先方に向かう。

 結局、先方との折り合いはついた。

 大手企業にはライバル会社の情報を伝えてしまったことを受け入れてくれた。

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