「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


 隠れ家カフェに行った悦子と麻沙子はテンションが高かった。

 結局、ここの料理が食べたくて来たらしい滝本は、その騒動を避けるためでもないだろうが、隅に座り、

「ここはもう、猫に招かれしものしか来られないようにすればいいのに」
と呟いて、西山に、

「潰れます」
と言われていた。

「この店っ、イケメンしかいないっ。
 天国っ!」

「ほんとですねっ、悦子さんっ。
 お店の方もお客さんもっ」

「僕もいるよ~」
とテーブル席から中谷が言ってきたが、悦子は振り返り、

「おじさまも人生が顔に出てる、いい顔してらっしゃるじゃないですかっ」
と言った。

「えっ?
 やだな~。

 西山くん、彼女たちにお酒一杯ずつ。
 僕、ご馳走するから」
と中谷は照れながら言う。

「やだもう、妬けるわ~。
 でも、うちの主人の顔、褒めてくれる若いお嬢さんなんていないから、私がおごっちゃうっ」
と今日は一緒に来ていた中谷の妻も喜ぶ。

 悦子さんって、本当に思ってることしかしゃべらないのが伝わるから、中谷さんたちも喜んでるんだろうな、
と思いながら、環奈はメニューをじっくり眺めていた。

 特に手書きで貼り付けてある本日だけのメニューのところを。
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