「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「聖一さんには、もっとお似合いの素敵な人がいると思います」

「……俺にはお前程度でお似合いということか」

 そんなこと言ってないじゃないですか……。

「聖一さんといると緊張しますしね」

「俺といても緊張しないのか」

「いや、しますけど。
 ……なんていうか。

 楽な緊張なんですよ」

「なんだ、楽な緊張って」

 やけに突っ込んで訊いてきますね、と思いながら、環奈は言った。

「例えて言うなら、そ……」

 そうですね、という言葉は出なかった。

 いきなり滝本が肩に手を置き、軽く唇に触れてきたからだ。

 自分でやっておいて、
「うーん?
 楽ではないな。

 緊張はする」
と呟いている。

「あのっ、今のは契約に含まれてませんけどっ!?」

 さっさと前を歩きながら、滝本が言った。

「いや、今のは契約には関係ない」
 
 じゃあ、余計やっちゃ駄目でしょう~っ、と環奈は後ろで叫んでいたが、横を通り抜ける車の音にかき消されてしまった。

 

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