「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「いや、スーパーで買ってきたんですけど。
 なんかいろんな味がするんですよね。

 お惣菜のコロッケとかと一緒に揚げてるからですかね~?」

 普通だ……。

 そう思いながらも、まだ警戒しつつ、鞄をローボードに置く。

 環奈との心の距離を測りながら、滝本は訊いた。

「蜂に刺されたところは大丈夫なのか?」

「今のところ大丈夫ですね~。
 っていうか、すぐ治りましたし。

 蜂が刺しかけたところではたき落としたから、そんなに刺されてなかったのかも」

「そんなことあるのか」
と言いながら、いつも通りの環奈にホッとし、横に座ろうとしたが、環奈は肘掛けのギリギリまで逃げてしまう。

「……なんなんだ」

「あー、いえ、ちょっと」

 はは、と笑う環奈は、もしかしたら、話題にも態度にも出さないことで、あのキスをなかったことにしようとしていたのかもしれない。

 それはそれで腹立つな、と思いながら、滝本はもうちょっと環奈の方に寄ってみた。

 立ち上がるかと思ったが、環奈は逃げなかった。

 その代わり、いつでも立ち上がれるようになのか、何故か肘掛けを握りしめている。

「なんで来た?
 今日は来ないかと思った」
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