「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」


「ああ、つまんない。
 イケメンといっぱい知り合えたのに、なんであんたばっかりモテてんのよ」

 昼休憩のとき、リラクゼーションルームで、環奈は悦子にそんな文句を言われるた。

「誰にもモテてないですよ」

 そう言ったあとで、悦子の向こう。
 窓ガラスの先にある空を見ながら、環奈は言った。

「……おやつ食べたい」

「食べてんじゃない」
と麻沙子が果汁たっぷりとか書いてあるグミを食べながら言う。

「なんかすごい、食べただけで幸せになるようなおやつが食べたい」

 わかるっ、と悦子が立ち上がった。

「行こうっ、おやつ食べにっ。
 こっち向かないイケメンより、お金出したら手に入るスイーツよっ」

 ……お前ら、まさか、この時間から行くつもりか。

 そんな顔で、入り口に珈琲を持って立つ滝本が見ていた。

 麻沙子が、
「その先のキッチンカーに小洒落たスイーツもあったらしいですよっ」
と環奈とテーブルの上を片付けながら言う。

「よしっ、走ろうっ」

 そう言った悦子に、こちらに背を向けて座っていた麻沙子の同期の平井弘章(ひらい ひろあき)が言う。

「成田さん、イケメンの彼氏欲しいんですか?
 俺でどうですか?」

 えっ、と悦子が足を止めた。
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