「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「さっき、彼女に振られたんで、今、フリーですよ」

「えっ、そうなのっ?」

「……悦子さん、間に合いませんよ、スイーツ。
 てか、平井くん、彼女いたっけ?」

「おとつい出来て、今日振られました」

 そんな男でいいんですか、という顔で後輩二人は見たが、悦子は座っていた平井の同期を押し退け、彼の前に座る。

「そうなの。
 奇遇ね。

 今、私も傷心で――」
と年下のイケメンを前に、ウキウキ顔で話しはじめる。

「……駄目だわ、環奈。
 この人はもう脱落した。

 私たちだけで行きましょうっ」

 麻沙子が、行くわよっ、と走りはじめる。

 脱落した人の方が幸せになっているとは、これ如何(いか)に――
と思ったが、

「おとついで今日別れたんなら、あの二人は、昼にはじまって、夜には別れてるわよっ」
と無茶を言い、麻沙子は環奈の手を引くと、スイーツに向かい、駆けていった。



 

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