「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」



「天使の財布、すぐに見つかりましたーっ。
 あ、あと占い師さん、梅サイダー飲んでましたよ」

 待っていてくれた二人に追いつきながら、環奈は言った。

「でかしたっ!
 今度差し入れるわっ!」
と嬉しそうに悦子は言う。

 好意を持っている相手に、なにかしてあげるのって嬉しいんだな。

 ……私だったら、どうだろうな?

 例えば、課長なら――。

 妄想の中、環奈は滝本に梅サイダーを渡してみた。

「これは好きじゃない」
と拒否される。

 いや、あげるの、梅サイダーじゃなくていいんだけど……。

 なんかもう、梅サイダーが頭に焼きついちゃってるからなあ。

 麻沙子に梅サイダーを渡してみる。

「なにっ?
 急にくれるなんて、なにがあるのっ?

 怖いっ。
 なんかすごい頼み事があるとかっ?」

 いや、梅サイダー一本で、そんなことありませんよ……。

 今度は、悦子に渡してみた。
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