「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「……僕の苦手なタイプです」

 そこは別にいいのでは。

「男性にグイグイ行く方なので、すぐに他の人に行きそうで不安になりますね」

 確かにっ、と平井は頷いている。

「誰との恋占いなんだ?」

「成田さんです」

「……まだ未練があったのか」

「いえ、今、占い師さんにその人とは合わないと言ってもらって、スッキリしたところです」

 いや、占い師が、僕とは合わないって言っただけだと思うが。

「では、そちらの方。
 相手の方の生年月日などを」

「いや……特に相手はいない」

 この期に及んで、なに言ってんですかっ、という顔で平井が振り向いたが、単に『相手の方』と言われて環奈の生年月日などを言うのが恥ずかしかったからだ。

 あと、生年月日を知らない。

「じゃあ、全般的な恋占いにしましょうか?」

「いや……人生全般で」

 恋占い、と口に出して言われ、小学校のとき、女生徒たちが雑誌の恋占いに一喜一憂してたのと変わらないなと気づき、恥ずかしくなって、そう言ってしまう。

 また、なに言ってんですかっ。
 あなた、私生活では、てんで駄目人間ですねっ、という顔を平井にされた。

 ……いや、後半は自分で自虐を込めて思っただけだか。
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