「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「まあ、私たち、基本、離れて座ってますしね~」
と環奈は笑う。

「どうします?
 隠れ家カフェに二人で行きますか? クリスマス」

 俺がっ、訊けないことをあっさりとっ。

 魔性の女かっ、と思ったが、単に深く考えていないだけなのだろう。

 その証拠に、
「あ、課長、他のご予定があるのなら、全然いいですよ。

 誰か誘うか。
 ひとりで行きます。

 それこそ、あの店、ひとりでも楽しめますもんね」
と言って、環奈は、ふふ、と笑う。

 ヤバイ。
 俺がいなくても、ほんとうに楽しくやりそうだ。

 最悪、聖一もあの店に来るかもしれないし。

「行くに決まってるだろう」

「楽しみですね~」
と環奈は満面の笑みを見せる。

「クリスマスはどんな趣向をこらした料理かな~」

 そっちか。

 浮かれた環奈は階段に置いたかぼちゃを見ながら、

 メリークリスマスッ! と言っていた。

 いやそれ、かぼちゃだから……。


 


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