「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 クリスマスのディナーの最初はスープだったのでよかったのだが。

 間でちょっと冷たいサラダなどが出てきて、お腹の中から冷えてきた。

 刺身とナッツとハーブ、ローストした野菜なんかが綺麗に盛ってあって見た目はいいのだが、ともかく寒い。

 あとこのワンピースも足元が寒い。

 西山がブランケットを貸してくれたのだが、やはり寒い。

 寒さを忘れようと、環奈は一点を見つめた。

 ちょうどそこに滝本の顔があった。

 テーブルの上のキャンドルに照らし出された滝本の顔は美しく。

 やっぱり美麗さんに似てるな、とうっかり思いながらも、眺めていた。

 隣のテーブルのカップルは寒くないのか、テーブルの上でお互いの手を重ね合い、見つめ合っている。

 西山が料理を運んでくるのにドアを開け、ちょうどいい雰囲気の曲が店内から聞こえてきた。

 滝本が自分を熱く見つめてくる環奈を見つめ、訊いてきた。

「……今、なに考えてる?
 俺は――」

「すみませんっ。
 せっかくいい雰囲気なのに、なにもロマンティックなことは考えていませんでしたっ。

 あー!
 って、叫び出したい気分ですっ!」

「……叫んでるな、もう」
 滝本が諦めを含んだ目で自分を見つめ、そう呟く。
 


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