「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


 フルーツに囲まれた真っ白なほわほわ食感の丸いデザートの上に金の星がのっていた。

 口の中で溶けるっ。

 新浜さんらしい繊細な味わいだっ。

 だが、美味しいデザートは大抵、ちょっぴりしかないのは、なんでなんだっ。

 そんなことを思いながら、無心に食べ終えた環奈は、しんとした店内に気づく。

 みんな同じようにデザートに集中していたようだ。

 食べ終えた客たちがお互いの顔を見て、ちょっと恥ずかしそうに笑いかけたとき、店内が真っ暗になった。

 えっ? と思ったが、暗くなったせいで、庭の木に吊るされた素朴な電球のイルミネーションがよく見える。

 遅れて、店内の棚の上で赤と緑と黄色のメリークリスマスのネオンサインが光った。

「忘れてた」
と西山が言う。
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