「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「あとは家でゆっくり家族や恋人と過ごす時間かな」
と中谷は妻と微笑み合う。

「……じゃあ、俺たちも帰るか」
と滝本がこちらを向いた。

 今の流れで言わないでください。
 ちょっと照れるではないですか。

 そう思いながらも、環奈は、
「……はい」
と頷く。

 滝本と残り少ないシャンパングラスをカチンと合わせた。

「メリークリスマス」
 イルミネーションの灯りしかない中、微笑み合う。

 呑み干した環奈はグラスを置いた。

 だが、さて、と立ちあがろうとすると、またグラスが満杯になっていた。

「まだあるじゃん。
 もったいないから、呑んで帰ってね」
と新浜が言う。

 ぐーっと環奈はそれを呑み干し、カウンターに置いた。
 また新浜が注ぐ。

「もったいないから、呑んで帰ってね」

 環奈が呑み干す。
 新浜がまた注いだ。

「もったいないから……」

「どっちか引けっ」
 西山がボトルを新浜の手から取り上げる。

「あと、これ、高いやつだからっ」
と西山は叫んでいた。

 そんな西山さんにも、

 メリークリスマス――ッ!



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