「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「俺が一番他人と言うことかっ」
と滝本は身を乗り出したが、環奈は俯きがちに言う。

「いえその……
 課長だと、みんなに呼ばれるのとちがって、ちょっと恥ずかしいなって」
と環奈は照れた。

 ――可愛いっ。
 抱きしめたいっ。

 クソ生意気な部下だったはずなのに。

 いつの間にか、こんな大事な存在にっ!?

 今のこいつは昔飼っていたイシガメより可愛い気がする。

 俺に向かい、手を振るイシガメ。

 可愛かった。

 それが求愛行動だと後で知ったが。

 ……俺はメスじゃないんだが。

 それはともかく、今、俺がお前に向かって手を振りたい気分だっ!

 だが、こいつはカメじゃないから、手を振っても伝わらないだろう。

 滝本は環奈の手を握りしめた。

 環奈が赤くなる。
 


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