「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


「えーっ?
 結局、結婚するの? なんで?」

 翌日訪れた隠れ家カフェで結婚の報告をすると、新浜が言う。

 いや、なんでっておかしいですけど……。

「僕と結婚したらいいじゃん。
 一生美味しいもの、食べさせてあげるよ」

「えっ?」
「おい、揺らぐな……」

 昨日、両思いになったばかりなのに、という滝本は今日は、ひとつ空けずに隣に座っている。

「でもまあ、お前らずっとここに食べに来るんだろうから、
 食を共にするということは、家族も同然――」
と言う西山に、

「そうですよっ。
 この店を我が家の食卓とすればいいんですよっ」
と環奈は言う。

「……作る気ないのか」
と滝本が環奈に言い、

「なんだかんだで、お前の方が気が長いよね」
と新浜が西山に言った。

「まあ、僕ら別に諦めないから。
 ほら、占い師さんだって言ってたんでしょ?

 君は『あきづき』さんに夢中になるって」

 僕ら、三人同じ名前だし、と言う新浜に、

「いや……『あ』と『き』のつく人ですよ」
と環奈が言うと、後ろのテーブル席に中谷と座っていた聖一が、

「わかった。
 環奈、俺は今日から、筑紫・暁月・聖一になる」
と言ってくる。

 不思議なミドルネームをつけないでください……。
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