「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」



「新浜さんたちとは大学が一緒とかですか?」
と環奈は浩司に訊いた。

「いや、公開講座みたいなので出会ったの。
 新浜も来てて」

「公開講座?」

「『古文書を読めるようになろう』ってやつ」

 新浜さん、そういうの興味があったんですか……。

 っていうか、よく行けましたね、市民講座なんて。

 人、いっぱいいるのに……、
と環奈は思う。

「最初は僕も新浜のこと、下の名前で呼んでたんだけど。
 そのうち、西山とも親しくなって。

 そしたら、この二人、同じ名前なんで、ややこしいから、結局、新浜って呼ぶようになったんだ」

 ……親しくなって遠ざかってる。

「そこの滝本さんも同じ名前なんだ」

 そう西山が教える。

「そうなんですか。
 縁があるんですね」
と浩司が笑い、新浜が、

「環奈さんは『あきづき』って名前の人と結婚するらしいんで。
 僕ら三人の中の誰かと結婚するんだよ」

 占いで言ってた、と言い出す。

 ……諦めが悪い、という顔を他の常連客たちがしていた。
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