「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


 浩司たちの打ち明け話を聞いたあと、
「では、よいお年をー」
と環奈たちは店から出た。

 猫がいなくてももう迷わない夜道を歩いていると、ブブブ、とスマホが震えた。

 悦子からだった。

 読んで、ふふ、と笑ってしまい、
「どうした?」
と滝本に訊かれる。

「悦子さんからです。
『神社の石段で順番待ちしてたら、下の方に占い師さんが友だちといたっ。
 今年は初めから出だしいいわっ』だそうです」

「まだ、年明けてないと思うが……」

 除夜の鐘の響き渡る中。
 小学生もいる家族連れなども夜道を歩いている。

 近所の神社に行くのだろうか。

 普段は外に出ない時間に出ているせいか、はしゃいでいた。

 こんな時間まで起きていられてすごいな~。

 私が小学生の頃は、夜十時以降の世界って知らなかったけど、と思いながら眺めていると、滝本が言った。
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