婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
「恋愛感情はないなんて言っておいて悪い。本当は最初からずっと惹かれていたんだ。俺の気持ちを押しつけるつもりはない。でも知っておいてほしい、いつか叶うなら……」


「琉生さんが、好き」
 

彼が話し終わる前に、やっと動いた唇から本心がこぼれ落ちた。
 
琉生さんが目を大きく見開く。


「惹かれてはいけないとわかっていたけれど気持ちを抑えられなくて……幼い頃も今も変わらず、思いやり深く私を大切にしてくれる琉生さんが好きです」


「……本当に?」


確認されて、しっかりうなずく。

その瞬間、強く抱きしめられ、彼の胸の中に閉じ込められる。

近い距離で感じる琉生さんの香りと体温が愛しくて、今までこらえていた涙があふれ出す。

耳に響く速い鼓動が彼の緊張と想いを伝えてくれる。


「……嬉しい。もう絶対に離さない。これからは俺だけに蕗を守らせて」
 

本当はずっとこうして抱きしめたくてたまらなかったと、片手で私の頭を撫でながら耳元で甘くささやく。

わずかに耳に触れる唇に、私の体温は上がりっぱなしだ。
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