婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
6.気づかされた現実
寝返りをうとうとした体がなにか硬くて力強いものに阻まれる。
同時にふわりと鼻先をくすぐる心地よい香りに、閉じていた瞼をわずかに開けた。
「――おはよう、蕗」
至近距離で聞こえた声に、瞬きを繰り返す。
視界に映った私の目を覗き込む、整った琉生さんの面差しに息をのむ。
そして自分が彼の腕の中にいて、明らかに大きすぎるシャツを身に纏っているのに気づく。
私を抱え込む琉生さんは上半身にゆったりとした黒いシャツを着ている。
目にした光景に昨夜の出来事をジワジワと思い出し、体が一気に熱を帯びる。
「残念、しっかり目が覚めたみたいだな」
羞恥から彼の胸元に額を押しつけるようにしてうつむく私の髪を、琉生さんが優しく梳く。
昨夜は長く甘い濃密な時間を過ごしていたのは覚えているけれど、途中からの記憶がない。
どうやら眠ってしまった私の世話を引受けてくれていたらしい。
「蕗、俺を見て」
低く柔らかな声が耳元近くで響く。
優しく名前を呼ばれて、胸がきゅうっと締め付けられる。
ゆっくりと顔を上げたところ、彼が私の前髪を長い指でかき分けて額に口づけた。
これまでとは違う、近い距離と甘さのまじる仕草に、起きたばかりだというのに鼓動が暴れ出す。
同時にふわりと鼻先をくすぐる心地よい香りに、閉じていた瞼をわずかに開けた。
「――おはよう、蕗」
至近距離で聞こえた声に、瞬きを繰り返す。
視界に映った私の目を覗き込む、整った琉生さんの面差しに息をのむ。
そして自分が彼の腕の中にいて、明らかに大きすぎるシャツを身に纏っているのに気づく。
私を抱え込む琉生さんは上半身にゆったりとした黒いシャツを着ている。
目にした光景に昨夜の出来事をジワジワと思い出し、体が一気に熱を帯びる。
「残念、しっかり目が覚めたみたいだな」
羞恥から彼の胸元に額を押しつけるようにしてうつむく私の髪を、琉生さんが優しく梳く。
昨夜は長く甘い濃密な時間を過ごしていたのは覚えているけれど、途中からの記憶がない。
どうやら眠ってしまった私の世話を引受けてくれていたらしい。
「蕗、俺を見て」
低く柔らかな声が耳元近くで響く。
優しく名前を呼ばれて、胸がきゅうっと締め付けられる。
ゆっくりと顔を上げたところ、彼が私の前髪を長い指でかき分けて額に口づけた。
これまでとは違う、近い距離と甘さのまじる仕草に、起きたばかりだというのに鼓動が暴れ出す。