婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
懐かしい思い出を噛みしめながら、スマートフォンをバッグに入れた際、飛行機をかたどったキーホルダーをつけた自宅の鍵が指に当たり、取り出した。
元々このキーホルダーは色違いの二種類があり、三年前に自分と妹への土産用に羽田から大阪国際空港に到着した際にすぐに購入したものだった。
東京に戻る前、土手で、近づく飛行機とともに撮れたらと考えてポケットにふたつ入れていた。
写真を妹や母に見せようと思っていたのに、あの男性に出会って、そんなことはすっかり頭から抜けていた。
そして、自宅に戻って荷物の整理をしていたときに思い出して、ポケットを探ってみたところ、ひとつしか見当たらなかった。
どうやらどこかで落としたか、なくしてしまったらしい。
おそろいを買ったと話していた妹に、キーホルダーはたくさん持っているから私が持つよう言われ、使っている。
このキーホルダーを見るたび、自分を見つめ直すきっかけになった彼との出会いを思い出す。
そしてどこかで活躍している彼に負けないよう前を向きたいと思う。
「――蕗?」
突如名前を呼ばれ、慌てて鍵を上着のポケットに入れ、視線を周囲に向ける。
するとすぐ近くに瑛斗が立っていた。
「やっぱり、蕗か。さっき菫を見かけたから、もしかしたらと思ってさ」
「うん、菫に会いに来ていたの。久しぶり、元気にしてた?」
「葬儀以来だな。そういや叔母さん、もう決めたのか?」
「決めるってなにを?」
薄々質問の意味を感じながらも慎重に問い返す。
元々このキーホルダーは色違いの二種類があり、三年前に自分と妹への土産用に羽田から大阪国際空港に到着した際にすぐに購入したものだった。
東京に戻る前、土手で、近づく飛行機とともに撮れたらと考えてポケットにふたつ入れていた。
写真を妹や母に見せようと思っていたのに、あの男性に出会って、そんなことはすっかり頭から抜けていた。
そして、自宅に戻って荷物の整理をしていたときに思い出して、ポケットを探ってみたところ、ひとつしか見当たらなかった。
どうやらどこかで落としたか、なくしてしまったらしい。
おそろいを買ったと話していた妹に、キーホルダーはたくさん持っているから私が持つよう言われ、使っている。
このキーホルダーを見るたび、自分を見つめ直すきっかけになった彼との出会いを思い出す。
そしてどこかで活躍している彼に負けないよう前を向きたいと思う。
「――蕗?」
突如名前を呼ばれ、慌てて鍵を上着のポケットに入れ、視線を周囲に向ける。
するとすぐ近くに瑛斗が立っていた。
「やっぱり、蕗か。さっき菫を見かけたから、もしかしたらと思ってさ」
「うん、菫に会いに来ていたの。久しぶり、元気にしてた?」
「葬儀以来だな。そういや叔母さん、もう決めたのか?」
「決めるってなにを?」
薄々質問の意味を感じながらも慎重に問い返す。