婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
「君は悪くない。なんだかお互いに同じ話ばかり繰り返しているな……原因を作った俺が言うのもなんだが、この件はもう解決にして構わないか?」


「はい、お話しする機会をくださってありがとうございます」


顔を上げて礼を伝えたところ、彼が一瞬驚いたように目を見開き口元をほころばせた。


「それは俺のセリフだ。話を聞いてくれてありがとう。じゃあ、コーヒーも飲んだことだし……」


向さんがじっと私を見つめて口を開いたとき、私の上着のポケットの中でスマートフォンが震えた。

向さんに促され、取り出して確認したところ瑛斗からメッセージが届いていた。


【話があるからお前の家の前で待っている】


目にした文面に血の気が引き、ドクンと鼓動が嫌な音を立てた。


「もしかして、さっきの彼から?」


落ち着いた低い声にハッとして、向さんに視線を移す。

恐る恐るうなずいたところ内容を尋ねられ、画面を見せた。


「彼の言う〝家〟はカフェのことか?」


「いいえ、私はひとり暮らしをしているので……」


祖母の葬儀で雑談がてら話していたので、瑛斗は私の現在の自宅を知っている。

私の返答に向さんは眉間にしわを寄せる。
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