婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
「あの、体調はもう大丈夫なので、なにか手伝わせてください」


「じゃあこのケトルでお湯を沸かして。インスタントで悪いけど、味噌汁を飲もう」


私の様子に苦笑し、長い指で頭を撫でる。

以前親友は彼を冷たい雰囲気だと話していたが、本当の彼は責任感が強く、とても優しく温かい人なのだろうと思った。

そうでなければこんな突拍子のない事態を引き受けて、私を大事に扱ってくれたりしないだろう。


「料理はされるんですか?」


「得意なわけじゃないが、最低限はできる。蕗も大切な仕事があるし、家事はお互い時間と余力があるほうがすればいい。難しいときは、ハウスクリーニングを頼めばいいから」


突如切り替わった具体的な生活の話に、軽く目を見開く。


「俺は職業柄、家を空ける時間が長い。蕗に色々不便をかけてしまうことが多いだろうから」


そう言って、琉生さんは自分の直近勤務シフト、生活を教えてくれた。

シフト制の二十四時間体制の職業については父で知っていたけれど、職種が違うので詳しくはない。
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