婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
一カ月分のシフトは大体一カ月ほど前に所属する機体チームのスケジューラーが作成するという。

パイロットはどの機種でも操縦できるわけではなく、各機種ごとに資格が必要になる。

公休日は十日ほどで、身体的、精神的負担も考え、海外フライトばかりが続かないよう、必要な訓練の予定も入れて組まれるそうだ。

もちろん、私たちのようにスタンバイ勤務もある。

さらに彼の場合は地上勤務として動画の広報業務もあるので、日ごとに違うものが多いそうだ。

さらに副操縦士である彼は、一年ごとに航空身体検査があり、特定操縦技能審査にも合格しなければ、空を飛べなくなる。

将来、機長になれるように努力は惜しまないと彼は幾度も口にする。

自分の職業を愛し、誇りに思い、たくさんの人の命を預かる責任を抱えていると改めて知った。

なにより職業について、空について語る彼の目は生き生きして輝いている。

話すたびに子どもの頃とは違う、今の琉生さんを知れるのはとても嬉しい。


「蕗も俺も勤務時間が不規則だし、できるだけたくさん話してお互いを少しでも知って、わかりあい、距離を縮めていければと思っている」


電気ケトルからシュンシュンと湯が沸く音が聞こえ、カチリとレバーが上がる音がした。
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