推し変には、ご注意を。
romanceとして、デビューして2年。
romanceはスター街道を駆け上がり、ついには誰もが知る、スーパーアイドルへと成長した。
歌を出せば、必ずバズり、誰しもが口ずさむ。
romanceが使っていた、となると、あれよあれよと売れてしまい、品切れに。
雑誌に登場した日には、その雑誌は入手困難となり、ライブのチケットはとんでもない倍率で、現場に行けれないファンが続出していた。
ねねさんはいつも、俺に言ってくれる。
『翡翠は私の一番星だよ』と。
光り輝き続ける俺を、ねねさんは自分のことのように、喜んでくれていた。
2年経っても、それは変わらなかった。
ねねさんからもらったファンレターは、全てファイル入れて丁寧に保存している。
ねねさんからのプレゼントも全部大切に使っている。
ねねさんのSNSの言葉は、お気に入りのものをスクショで保存してデータに残し、飾っているものまである。
2年間、潰れず頑張って来れたのは、全てねねさんのおかげなのだ。
…が、その日は突然やってきた。
都内でゲリラライブをした日。
シングルの宣伝のためにしたライブはゲリラにも関わらず好調で、とても盛り上がった。
時間が経てば経つほど、その情報は流れ、ファンを集めた。
歌い踊りながら、いつものようにねねさんの姿を探す。
彼女はどんな現場にでも必ず駆けつけてくれる。
だから今日も情報を聞きつけて、いの一番に俺に会いに来てくれるはずだ。
そう思って、ずっと探しているのに、彼女の姿はない。
…あれ?
気がつけばねねさんの姿を見ないまま、ライブは終わってしまった。