推し変には、ご注意を。
5.変わる世界。
デビュー前、最初で最後の握手会が終わり、俺は見事、デビューを勝ち取った。
そこからは毎日が嵐のようで、忙しい日々を送った。
デビューがゴールではない。
デビューはスタートだ。
romanceとしてデビューした俺たちは、トップアイドルになるために、さらなる努力と活動を続けた。
シングルの発売による、たくさんの準備。
MV撮影、ジャケット撮影。
番宣に地上波に出て、雑誌に載って。
romanceのアカウントで、ライブ配信をできるだけ毎日し、個人アカでも配信、投稿をした。
モデルの仕事、CMの仕事、歌、ドラマ、バラエティ。
俺たちはとにかく引っ張りだこで、その中でも群を抜いて、俺にはいろいろなところからオファーがきた。
その合間を縫うように、ファンに会うイベントも行われる。
このファンに会える時間が、俺にとって特別で大切なものだった。
ライブ配信でも、SNSでも、いつもねねさんに会えるけど、直接会えるのは、イベントでだけだ。
やはり、ねねさんとは直接会って話がしたい。
ねねさんはどんな現場でも、必ず俺に会いに来てくれた。
ライブ、地方のイベント、握手会、サイン会。
ラジオの収録に、ゲリライベント。
その中で俺はいつもねねさんを探して、その姿を見つけては嬉しくなっていた。
ねねさんは俺を輝かせる太陽であり、俺の神様だ。
ねねさんさえいれば、どんなに辛くても大変でも、頑張ろうと思える。
輝こうと立ち上がれる。
忙しい毎日に、失われた日常に、有名になればなるほど増えるアンチに、いつだって心が曇らされる。
けれど、神様の言葉一つで、俺はその曇りを晴らせた。